進撃の巨人の最終話は単行本で加筆され、連載で描かれたラストシーンの後の世界が描かれました。
その加筆部分で、ミカサ・アッカーマン(以下、ミカサ)は子供を抱き、男性と思われる人物と一緒にエレン・イェーガー(以下、エレン)の墓参りをしてます。
このミカサと一緒にいた男性について、多くの進撃の巨人ファンがミカサやエレンと訓練生時代の同期で最後まで戦い抜いたジャン・キルシュタイン(以下、ジャン)でないかと考えているようです。
このミカサと一緒にいた人物がジャンなのか、あるいは別の誰かなのか、今回はこのことについて考察していきたいと思います。
普通に考えて、あの加筆されたミカサの墓参りシーンを見て、ジャンと思うのは進撃の巨人のストーリーを深く読んできた人のみでしょう。
服装から男性であることは間違いないのでしょうが、あの描写だけでジャンと考えてしまうのは、作中の様々な情報が相当加味されているはずです。
登場人物のキャラクター表だけしか見ていない人なら、あの人物をジャンとはまず思いません。
早い話が、あの人物をジャンと考えてしまうのは、ジャンがミカサのことを好きであったという情報に影響されているとしか思えないわけです。
しかし、その思考は漫画の読みすぎです。
週刊少年ジャンプで連載された忍者漫画『NARUTO』は、主要な登場人物が全員身近な人同士で結婚しました。(参考:ナルトと同期のカップル一覧とその子どもたち)
これは、高校生の仲良しグループが全員仲間内で結婚しているようなものです。
ただ現実は、高校生の仲良しグループの中で結婚するようなケースは稀で、ほとんどの人は、その後の人生で様々な恋愛経験を経た後に、高校生時代とは全く関係のない人と結婚しているはずです。(近年における未婚率の話は無視するとして)
高校生の仲良しグループ内で結婚するなんて、1組でもいたらいいほうだと思います。
つまりNARUTOで言ったら、主要な人物はストーリーに登場しないような人物と結婚するのが現実なのです。
少年漫画では主要な登場人物内で無理やりカップルにしてしまうことが頻発しますが、進撃の巨人はNARUTOなどとは違い、巨人に関する設定を除けばリアルな描写やストーリー展開が多いので、普通に考えればミカサはジャンよりも知らない誰かと結婚している可能性のほうが高いわけです。
描写的にも、(作者に画力的な問題があったとしても)ジャンであるなら、もっとジャンとわかるように描くことが可能でした。
女性はマフラーをしていることと髪の色からミカサと判断できますが、男性のほうは全く個人を特定できるような描写はされていません。
この作者が誰かわからないよう描いた事実のほうが、私は重要だと思っています。
単行本で加筆されたミカサに関するシーンは、昔話でいうところの『幸せに暮らしましたとさ』の部分であり、どう幸せに暮らしたかは、読者の判断に任せられているわけです。
加筆部分で描かれるミカサについては『ミカサは幸せと暮らしましたとさ』という意味で、おそらく誰かと結婚をして子供を産んだのでしょうが、そこに誰と結婚したなどという具体性はないのだと思われます。
もっと言えば、あの描写だけでは結婚したことも絶対とは言えないですし、知り合いの子供を抱いているだけで子供も産んでいないのかもしれません。
つまり、加筆部分において登場人物の具体的な物語りは、ほとんど何も語られていないのです。
作者があえてそう描いた以上、ミカサと一緒にいた男性を誰であるか考えるのは邪推なので、ミカサと一緒にいた男性は人物不明と捉えるのが正しい解釈だと思います。
コメント
普通にジャンだと思って読んでました。よく見たらジャンかどうかなんて全然判らないですね。
ジャン違いですね。😅
今月公開されるスプリガンのアニメも楽しみです。